Gen00500 「原子力で二酸化炭素を削減」

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　４月１８日付朝日新聞夕刊に、「二酸化炭素減らすには…パリ会議で技術検討」と
題して、パリで開かれていた国際専門家会議の内容が紹介されていますが、この中で
省エネ・燃料転換と並んで原子力発電についても次のように書かれています。

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［原子力発電］
　原子力発電は二酸化炭素を発生させない。経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）の研究者
は８７年の原子力発電量を化石燃料で行ったと仮定して計算、この年に世界中で発電
に伴う二酸化炭素の放出を３０％減らしたと報告。さらに、今後予想される原子力発
電の増加で、２００５年には４４％の削減になると原子力の重要性を強調した。
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　割と控え目で目立たない記事ですが、発電によるＣＯ２の発生を３０％も減らした
というのはちょっとしたものだと思います。原子力発電所がなければその分は確実に
発生するのですから。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　原

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３月２７日夕刊「原発はクリーンか？」（国際的見方　放射能の汚染不安）をお読み
いただきたいと思います。

　この記事では、現状で発電のため日本が排出している二酸化炭素は全排出量の２
７％（２億１千万トン）であること。また外国では、安全確保、廃棄物対策、核拡
散防止の３点から必ずしも原発に道を求めてはいないこと等が紹介されてます。

                　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「誤り人」より

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［原子力発電］
通産省.資源エネルギ−庁は1988年度の原子力の設備利用率(稼働率)
を発表した。
それによると,平均設備利用率が71.4%と、前年度比で5.7ポイント
低下した。日本の原発利用率は年々上昇し87年度に過去最高の
77.1%を記録するなど放射性廃棄物の蓄積や環境への放射能による
汚染が高まってきたが,最近の度重なるトラブルにより設備利用率
が低下し「幸いにも環境への汚染度を前年に比べて26%減少させた。
原発の設備利用率の低下が環境の改善に貢献している」と述べてい
る。    ***以上私の作文***

と同じ論理ですね。

なにがなんでも原発を環境改善の主役に仕立て上げたいようです。

ところで原発の核燃料はウラン鉱石を採掘してすぐ使えるものでは
ありません。資源エネルギ−庁の核燃料サイクル図を見ますと100
万KWの軽水炉を１基年間稼働させるためには鉱石(粗鉱)が95,000ト
ン必要でありそれを採掘,製錬,転換,濃縮,再転換,燃料棒への加工
等の工程を経て25トンの核燃料を作っています。それらのエネルギ
−源はすべて石油などの炭酸ガスを放出する化石燃料です。
採掘,運搬等すべての工程に原発で発電した電気を使っているのな
らば{二酸化炭素の放出を３０％減らした}という数値に注目の余地
がありますがそのへんはどうなっているのでしょうか？
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